長久院(Chōkyūin)

西光寺より、少し南に歩くと、長久院が見えてきます。まるで武家屋敷かと思うほど壮麗な構えと山門前の鮮やかな草木と大きな石碑がとても美しく心に残るお寺です。ツツジや紫陽花など季節の花が咲き乱れ、温かく参拝者を迎えてくれます。境内も緑が多く、その奥にそれほど大きくはありませんが、黒みがかった木造に白壁の本堂が見え隠れしています。境内に安置されている六十六部造立石造閻魔王座及び両脇侍像ですが、山門前のガイドにもあるように、非常に貴重なものだと思います。ちなみに、経王寺と同じように、山門の潜り戸には、上野戦争の時に官軍から受けた銃弾跡が残っています。

宗派       山号  住所
真言宗豊山派瑠璃光山東京都台東区谷中6-2-16

長久院 長久院 山門前 長久院 山門前 長久院境内

六十六部造立石造閻魔王座像及び両脇侍像
(台東区有形文化財)
台東区谷中6丁目2番16号 長久院境内
この石仏は、中央に閻魔王像、右左にそれぞれ司命、司録像を配しています。閻魔王は死者の生前の行いに応じて死後の行き先を決めるという冥界の王で、司命は閻魔王の判決を言渡し、司録は判決内容を記録する従者であるとされています。台座に刻まれた銘文によると、この三躰は六十六部聖(六部聖ともいう)の光誉円心という人物が享保11年(1726)に造立したものです。六十六部聖とは『法華経』を六十六部書写し、全国六十六箇所の霊場に1部ずつ奉納した聖のことをいいます。江戸時代になると経典の奉納の他に、石塔・石仏を各地に造立するようになりました。経典の書写や石塔・石仏の造立を重ねることは、生前の罪障を滅し、死後の往生に近づくこととされたためです。都内に現存する六十六部聖が造立した石仏を調べてみると、地蔵菩薩像が圧倒的に多く、閻魔像は極めて稀であることが分かります。本像は六部聖が江戸時代の谷中でも活動していたことを裏付けるとともに、希少な石仏として貴重な文化財のひとつです。この六十六部造立石造閻魔王座像及び両脇侍像は平成9年に台東区有形文化財に登載されました。
平成17年3月
台東区教育委員会

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